老人は、そのドワーフがいかにして北の国から無一文でここまでやってきたか、話し続けた。彼は、製象工場の工員たちが集まるこの居酒屋に居場所を得て、つまらない仕事をやっていたが、それも、マネージャーが彼が素晴らしいダンサーだと知って、彼をフルタイムのダンサーとして雇うまでだった。工員たちは女性のダンサーを期待していたので最初はぶつぶつ文句を言ったが、それほど長いことではなかった。飲み物を手にして彼らはまさに催眠術にかかったように彼のダンスを見た。そして彼は他の誰でもできないようなダンスを踊った。彼は見ている連中から、それまで彼らが感じたこともなく、自分がそういう感情を持っていると知りもしなかったような感情を引き出した。彼は彼らのそうした感情を、まるで魚の腸を引き出すように白日のもとに裸にした。
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冬山想南
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